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札幌試行錯誤シリーズ vol.3:~これが札幌試行錯誤プロトタイプ第一号

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まどーん氏の写真
「札幌試行錯誤シリーズ」は、2020年度初の試みとしてインタークロス・クリエイティブ・センター(ICC)によって始まりました。クリエイターのアイデアに新しい価値をつけ、具現化へ向けてのプロセスを手助けする「札幌試行錯誤シリーズ」では、今年度、テーマ「学び」から発想されたクリエイターまどーんさんの提案「世の中のがんに対するイメージを変えたい」を採択。11月から始まった取り組みも佳境を迎えました。
今回のレポートはいよいよ最終段階、プロトタイプ制作の様子と完成したプロトタイプを紹介します。

ディレクション・制作が決定、ウェブサイト作成へGO!

2020年11月から、まどーんさん、Pink Ring北海道ブランチのメンバー、ICCのディレクターカジタで重ねられてきたミーティング。毎回、たくさんの考えやアイデアが出され、それらを入念に精査し、ターゲット、方向性、内容、そしてプロトタイプとしてはウェブサイトを制作することが決定されたのでした。

こうして、プロトタイプ制作は最終段階に突入。チームまどーんにはウェブサイトに載せる情報の収集とウェブサイトのイメージを固めるという宿題が課されました。
この際、気をつけておきたいポイントが二つ提示されます。まず一つ目は、情報は多ければ多いほどよいということ。たくさんある中から選び取る方がより精度の高い情報サイトをつくることが可能となるからです。
二つ目は、デザインのイメージは具体的なビジュアルで示した方がよいということ。言葉だけでのイメージの共有は難しいものです。例えば「ピンク」という色ひとつとってもそれぞれが思い浮かべる色合いは異なる場合が多いもの。お互いの考えが齟齬しないようにするためには大切なことです。また、「こういうのがいい」はもちろん「こういうのがイヤ」というものを探しておくとよいというアドバイスもありました。
  • ノート画像

    まどーんさんがまとめたサイト構成のイメージ

一方、ウェブサイト制作協力者への打診はICCの役割です。
今回は、コモノ株式会社のディレクション、デザイナー三木なつみさんの制作で進めていくことが決まりました。
3月1日には、コモノ株式会社、三木なつみさん、チームまどーん、ICCの顔合わせがあり、プロトタイプとしてのウェブサイトの制作を進める運びとなりました。

「これから育てていく」を前提としたウェブサイト

ほぼICCの手を離れ、チームまどーんと制作者チームとのやり取りにより、プロトタイプとしてのウェブサイトが完成しました。 (5月中旬から運用予定)
  • HP
  • ウエブサイトカテゴリ
サイト名は「ムネコ(仮)muneco.jp」。乳がんのことを勉強しているムネコちゃんという女の子がメインキャラクターとなり、乳がんについての情報をソフトでありながら的確に伝えていくサイトとなっています。
「ムネコ」という名称の発案者は、Reborn.R(リボンアール)代表の渡辺愛さん。渡辺さんは乳がんと診断されたばかりの方の不安を軽減するために、先輩方からの経験談を募集し発信する活動をしています。
「サバイバー」や「闘病」といった強めの言葉をできるだけ使いたくないという共通の思いがあり、乳がんを経験したひとたちを表す「ムネコ」が浮かび上がりました。

また、メインのビジュアルについても、乳がんを心配する人や患った人ができるだけソフトに受け止められるよう表現を考えていったとのこと。
  • muneco

    おっぱい蝶々はカラフルで形も多様。ムネコちゃんの頭の上の蝶々は知恵の実であるリンゴもイメージしているという

ただ現状として、サイト自体はほぼフレームができているという段階。今後、それぞれのカテゴリーに紹介したい情報やサイトのリンクとともに簡単な説明を加えた記事を増やしていくのだそう。記事数が増えていくにつれて、体験者の生の声を反映したリンク集ができあがっていく……という形になるとのことです。そのために、それぞれの記事に添える画像もデザイナーとして関わる三木さんが描いて素材としてセットされるのだそうです。
ウェブサイトのフレームと素材集が今回のプロトタイプの柱となるわけです。ここからがスタート地点、というICC側の意向にも沿い、育てていくことを前提としたウェブサイトが完成しました。

強く生き抜いた笑顔で乳がん患者にも不安を抱える人にもちょっとの勇気を

ウェブサイトと並行した時期に制作されたのが北川陽稔(きたがわあきよし)さんによるイメージ映像です。
Pink Ring北海道ブランチとしては、札幌試行錯誤による動きの他に映像によって思いを伝える方法も探っていました。そこで、ICCが北川さんをご紹介。まどーんさんたちの取り組みに共感した北川さんとのコラボが実現しました。
  • Pink Ring
  • 今後のPink Ring
この映像についても、チームまどーんのこだわりが反映されました。
これまでのメディアの傾向として乳がんを患ったことをかわいそうなこととして伝えられがちなのにまどーんさんたちは疑問をもっていたそう。病気に対して同情してほしいと思っているわけではない。だから、映像の幕切れも、泣き顔ではなく、最後は笑顔で。その姿を見て、今、辛い人、不安を抱えている人が少しでも、気持ちが軽くなったり、小さな勇気を持ったりできるなら……との気持ちを込めた映像が完成しました。
  • Pink Ringに出会って感じた事
  • まどーんさん

    「完成した映像を初めて観たときは、自分の顔が気になっちゃって、内容が頭に入ってこなかったんですよ(笑)」と、まどーんさん

今後、こちらの映像はYouTubeで公開する他、自治体など映像を使用してくれる場所を募集しながら広く発表していく予定だそうです。
このように「こんなことを実現してみたい」という思いがさまざまなクリエイターの心を動かし、新しい価値を生み出すサービスの展開に向けてICCも共に挑戦しています。

「世の中のがんに対するイメージを変えたい」という試みは始まったばかり。これからも、このウェブサイトの充実とともに、自治体への働きかけ、気軽ながん検診のススメ、がん教育など、広げていきたい活動が盛りだくさんだそう。チームまどーんの「試行錯誤」は続くのです。