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レポート:クロチコ氏講演会・作品講評会

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9月8日、在札幌米国総領事館の主催で、サンディエゴ写真美術館のエグゼクティブ・ディレクターであるデボラ・クロチコ氏を講師に迎え、美術館、大学などの芸術関係者を対象とした講演会と、道内で活躍する作家が作品を持ち寄った公開作品講評会がICCで開かれ、道内から集まったおよそ50名が出席しました。

前半はクロチコ氏による講演で、「進化するミュージアム:双方向社会における、その役割の変化」と題し、自身がプロデュースをするサンディエゴ写真美術館を例にとり、展示・作品収集の方法や、教育や福祉における美術館の役割など、写真を交えて説明してくれました。

また、写真技術の歴史にも触れ、参加者がイメージをしやすいように19世紀に撮られた写真を見せ、実際に触れてもらいながら、写真技術がどのように進化していったかを話してくれました。
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サンディエゴ写真美術館では地域の小学校と組んで教育プログラムを行なっている
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歴史の1ページに触れているようなセピア色の写真

後半は、北海道を拠点に写真を媒体として活躍する藤倉翼さん、山本顕史(あきひと)さん、北川陽稔(あきよし)さん、鈴木涼子さん、今義典さんを迎え、彼らの公開作品講評会を行いました。

「この作品はどういう想いを込めて撮ったのか。」「もっと大きなサイズのほうがインパクトを与えられると思う。」、「この写真は詩的なイメージを持っているので、一つの物語のように続けて展示すると効果的」といった具体的なアドバイスをし、見学していた観客も真剣に耳を傾けていました。
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講評を受ける藤倉さん(写真左)と山本さん(写真右)
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プロジェクターで作品を見せる北川さん                作品への想いを説明する鈴木さん

講評してもらった写真家の1人、山本さんは「キュレーターとして世界的に活躍しているクロチコさんから、直々にアドバイスをもらえるのは、本当に嬉しい。こんな機会をいただけたことに心から感謝しています。」と笑顔で話してくれました。

クロチコ氏は「世界に通用するハイレベルな作品に正直驚いた。札幌は四季もはっきりとしているし、自然も豊か。創作活動を行なう場所として、とても良いところなのではと思う。次回はぜひ個人的に来日し、もう少しゆっくり滞在してみたい。」と語ってくれました。

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笑顔で質問に答えるクロチコ氏