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Sapporo Community File 01 札幌コピーライターズクラブ(SCC)

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伝えることのプロフェッショナル、札幌コピーライターズクラブ

コミュニケーションの形が多様化する時代。札幌にはモノづくりや広告の企画や、それらを言語化して伝えるコミュニケーションのプロ、札幌コピーライターズクラブ(SCC)という団体があります。どのような団体で、そこに所属しているのは、どのような人たちなのか。お話を伺いました。
  • 池端氏と鈴木氏の写真

    左から札幌コピーライターズクラブの運営委員長 池端宏介氏(株式会社インプロバイド)、運営委員 鈴木志保氏(株式会社オズ)

クリエイターが出会い、親睦を深め、向上することを目指して

──札幌コピーライターズクラブ(以下、SCC)とはどのような団体なのか、まずはそこから教えていただけますか。

池端: SCCはコピーライターをはじめ、北海道の広告制作者やクリエイターたちが会社や年齢、キャリアなどの垣根なく交流できる場を提供している団体です。同時に勉強会や審査会といったイベントの開催や、それぞれが出会い、話すことのできる交流の場の提供を通して、広告やデザイン、コピーの質の研鑽・向上に寄与していくことを目的としています。

──具体的には、どんな活動を行っているのでしょう?

池端:一番大きなのは毎年4月のSCC賞審査会と7月のSCCフェスタですね。4月に作品を募って審査し、そこで決まった各賞の表彰式を7月に行い、入賞したコピーをまとめた年鑑を発刊しています。あとはボツになったコピーを神社で供養してもらうボツコピー供養祭を9月に、忘年会を12月にそれぞれ開催しています。また、勉強会やワークショップも適宜開いています。
  • 池端氏の写真

    審査会では広告の大小や知名度は関係なく、「よいコピー、よい企画」を純粋に評価。今年はコロナ禍の影響で、オンラインでの開催を予定している。

──どうすれば会員になれるのですか?

池端:年会費を払うと誰でも会員になれます。といっても、僕はあまり会員かどうかを気にしていないんです。実際、SCCのイベントには会員以外の人たちも自由に参加してもらっています。

──コピーライターじゃなくても参加できる?


池端:そうです。ボツコピー供養祭には、ボツになったカンプを持ってくるデザイナーもいます。SCCの会員自体は現在50人くらいですけど、忘年会をはじめ交流の場には営業職、ウェブ制作の人たち、「宣伝会議」のコピーライター養成講座に通っていた人、学生、学校の先生など、会員以上の70名近い人が毎年集まっています。

鈴木:本当にいろんな人が来ていますね。その日に初めてお会いする人がいても、池端さんをはじめ先輩方が紹介してくれて、どんどんと交流の輪が広がっていくのでありがたいです。SCCのイベントは単純に楽しい時間もあれば、仕事の真面目な話ができる時間もあります。諸先輩方からお話を聞けるのは貴重な機会ですが、いつの間にか、くだけた雰囲気になって夢中でおしゃべりしているのがいつもの流れです(笑)。池端さんが先程、交流と研鑽の場と言っていましたが、まさにその両方ができる場だと毎回感じています。

池端:北海道にはコピーライターだけでなく、クリエイター自体が少なく、特にフリーで活動している人は、なかなか意見交換や悩みを相談する場がありません。SCCは、そうしたことも解消できる場にもなっています。
  • 池端氏の写真

    「同じ業界の仲間というヨコのラインと、ベテラン・中堅・若手・学生というタテのラインでの交流ができるのがSCC」と池端さん。

キャッチコピー制作だけじゃない、コピーライターの業務領域

──SCCは、かなり歴史のある団体と聞いています。

池端:そう、古いんですよ。1975(昭和50)年にできて、1993(平成5)年くらいに一度休止してそのまま活動はフェードアウトしたようです。それを2001(平成13)年に長岡晋一郎さん、根本信男さん、西敏治さん、塩出修智さんという4人のコピーライターが呼びかけて活動を再開させて今につながっています。

──誕生した70〜80年代というと、糸井重里さんらが活躍していた時代。コピーライターというと、そうした方々をイメージされる人も多いかと思います。

池端:キャッチコピー1本で数十万円を稼いでいたという噂話も根強くありますよね。

鈴木:私もコピーライターの仕事をするようになる前は、そんなイメージを抱いていました。

  • 鈴木さんの写真

    鈴木さんは企業の採用担当からコピーライターに転職。「人に何かを伝えることの難しさを感じ、学ぼうと思った先にコピーライター養成講座があった」と振り返る。

──実際はキャッチコピーを書くだけじゃない?

池端:もちろんキャッチコピーも書きますし、ネーミングも考えますが、それだけじゃないです。取材をして原稿を書くこともあれば、もっと仕事の源流にある企画を考えたり、課題の発見や解決などコンサルティング的な業務を行うことの方が多かったりもします。

鈴木:私も取材やライティングに加え、企画構成を考えたり、ウェブ用の指示書もよく書きます。実際にコピーライターになって、伝えるための手段ってこんなにたくさんあるんだって知りましたし、こんなに細かいこともしていたんだってコピーライターの印象が大きく変わりました。

コトバはもっと、商品や企業、社会のためになる

池端:北海道は、特にみんないろんなことを幅広くやっていると思います。僕もパッケージやブランディングの仕事を農家や個人事業主の方々から直接受注したりしますが、みんな僕のことをコピーライターだと思ってなくて、デザイナーだと思われています(笑)。そのくらい職域が広いし、職能を限定的に感じさせるコピーライターという名称自体がもう古いのかも知れないです。
  • 池端氏の写真

    コピーライターはただ文章を書くのではなく、どう進めていくべきかを論理的に考え、道筋を立てることができるところにも大きな存在価値がある。

──職域の変化は、時代の変化に伴うものなのでしょうか?

池端:それもあるかもしれないです。東京でもコピーライターがコンサルティングやディレクターなど、仕事を管理する立場になっている人が多くなっています。僕たちのベースにあるのは、ロジカルに考える力と、それを言語化する力。「コトバ」はアイデアなので、巨額な投資が必要のない効率的なメディアです。たった一言で人々の態度や行動の変容を促すことができる。デザイン同様に商品や企業、社会のチカラになりますし、コピーライターにできることは、まだまだたくさんあると思っています。

鈴木:私もできることを増やして、川上に立っていけるよう目指していきたいです。

池端:コトバは自分で書けちゃうから、プロに頼むという発想がない人も多いと思います。実際、僕らもコピーだけお願いしますと直接依頼されることはほぼありません。ですが、広告やデザインの仕事を通して一度でも頼んでくれたら、「さすがプロだね」とか「絶対こんなの自分では思い浮かばなかった」とおっしゃってくれます。僕たちの企画やコトバには、伝える力があり、それは売上を上げる、ブランドの価値を高める役割を果たすことができます。コピーライターには、いろいろなタイプの人がいて、それぞれ得意なジャンルも違います。まずはSCCを通して、コピーライターといろいろな事業者の人たちがつながっていけたらうれしいです。

──コピーライターを必要とするフィールドはたくさんありそうですね。

池端:伝えるということに関する社内外の研修や勉強会でもよいので、ぜひ使って欲しいです。なによりまずは北海道にはどんなコピーライターがいて、それぞれどんな仕事をしているのか、知ってもらえたらうれしいです。

鈴木:SCCの年鑑は、ICC(インタークロス・クリエイティブ・センター)にも寄贈しているので、ぜひ見に来てください。

池端:道内在住のコピーライターはもちろん、広告に興味がある人は、SCCのイベントにも気軽に参加してもらいたいですね。業界志望の学生や転職希望者には、特に積極的に参加してもらいたいな。
  • 池端さんと鈴木さんの写真

    今後は広告業界だけでなく、モノづくりのコンサルタントとして、マーケティング分野や各種経済団体ともつながっていけたらと話す2人。

札幌コピーライターズクラブ(SCC)
活動内容|北海道におけるコピーライターの地位の確立と広告の質的向上を目指す、親睦と研鑚の場。主にSCC賞の選定・表彰や広告関係諸団体との交流、志望者の育成指導などを行う。
会員数 |約50名
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文:児玉源太郎(株式会社造形
撮影:出羽遼介(株式会社アンドボーダー