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レポート: 熱気に包まれた ICCフェス2009

ICC最大の祭典、「ICCフェスティバル2009」が2月20日(金)、ICCを会場に盛大に開催された。
今年のテーマは「網創共鳴」(クリエイティブ レゾナンス)。
ネットワーキングの力とその可能性にフォーカスしたテーマだ。

ICCの建物に入ってまず目をひいたのは、各会場に誘導する導線サインの数々と入口正面に設置された不思議なボード。ボードを叩いて音を鳴らすと、メイン会場へと向かう途中に配置された8個のマルチスピーカーがそれに反応して音を出す楽しい仕掛けだ。
ICC入居者OCの大黒淳一氏が今年のテーマ「網創共鳴」に“共鳴”して企画したもので、楽しみながら目指す会場へと向かった。
 

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13時30分からスタートした最初のイベントは、世界最大規模のソーシャルコミュニティサイトMy Spaceの日本語版運営会社マイスペース(株)代表の大蘿淳司(たいらあつし)氏によるトークライブ。
世界に2億人のユーザーがおり、クリエイターの参加が多いことで知られているMy spaceの話を聞こうと、会場は立見が出るほどの大入り満員状態となった。
トークの中で大蘿氏は、「日本人はネットワーキング下手。クリエイターがネットワーキングから外れていることは致命的な問題。コンテンツ後進国にならないよう、積極的にクリエイターが情報発信していくことの重要」と説いた。
トークライブ終了時、聴衆が一様に納得の表情をしていたのが印象的だった。
 

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マイスペース(株)代表の大蘿淳司

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トークセッションは立見が出るほどの大入り満員となった


トークライブの後は、ICCの入居クリエイター、OB/OGクリエイターによるプレゼンテーション・タイム。
1団体5分間、計14団体が続々登場し、自らのクリエイティブを思い思いの方法でプレゼンテーションした。
終了後、アドバイザーや来場者から個別に詳しく質問されたクリエイターもおり、今後、具体的なビジネスへの発展が期待されるところだ。
 

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現入居クリエイター、入居者OB/OGが次々にプレゼンテーション


ICCフェスティバルの大きな楽しみの一つは、クリエイティブ・ビジネスの第一線で活躍するアドバイザーや多彩なゲストから、普段はなかなか聞くことのできない話を聞いたり、直接交流できる点だ。
今年のフェスでも、アドバイザーから札幌のクリエイターに熱い“ゲキ”が飛んだ。
 

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大蘿淳司氏(左)とICCアドバイザーの森本晃司氏

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ICCアドバイザーのSteve Baker氏(左)と水口哲也氏


最初にトークを展開したのは、アニメーションプロデューサーの竹内宏彰氏。
いつも歯切れの良い口調で問題点をズバリ指摘してくれる竹内氏の激烈トークがこの日も炸裂した。
氏がかかわったこれまでの仕事を振りかえり、ICCとの出会いや、ICCの意義を説きながら、
「プレゼン力をアップしろ!」「もっとガンガン売り込め!」「ゼッタイにあきらめるな!」と、集まったクリエイター叱咤激励。
この愛のこもったメッセージをしっかり受け止めたクリエイターも多かったようだ。
 

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ICCアドバイザー、竹内宏彰氏はいつにも増して熱いトークを展開


竹内氏の熱いトークの後に登場したのは、世界にその名知られるゲームクリエイター、水口哲也氏。
「ゲームクリエイターという仕事があることさえも知らなかった自分が、いまこの仕事をしていることが不思議で仕方がない」と笑いながら、近況などを紹介。
次々にやりたいことが出てきて、いかにも仕事を楽しんでいるという印象の水口氏。
「この課題をクリアすれば、次のステップに行ける」という、常にその先のビジョンを描き、それを実現するための方法論を持ちながら仕事をしている点は、参加したクリエイターにも大いに参考になったはずだ。
 

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同じくICCアドバイザー、水口哲也氏のトークはソフト&クールタッチ


この後は、会場内のいたるところで参加者同士が交流し、ライブあり、パフォーマンスあり、短編映画の上映会ありと、“祭り”にふさわしい盛り上がりが夜遅くまで続いた。
大雪降り積もる外の景色とは裏腹に、熱い、そして、暑いICCの一日だった。
 

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取材・記事: 佐藤栄一