レポート: クリエイティブミーティング「音と旅する」

2月6日(金)19時より、ICC卒業クリエイター 大黒淳一 さんの企画によるクリエイティブミーティング「音と旅する」が内田洋行U-calaで開催された。
大黒さんは、サウンドクリエイターとしてCM等の様々なプロジェクトに音楽を提供しており、2008年の北京オリンピックでは、adidas art project の音楽を担当している。
昨年は、クリエイター海外派遣プログラムを利用してアイルランド ベルファストにて音楽製作を展開。
今回は、その活動報告会と、アイルランドの街の音を取り入れたライブパフォーマンスが行われた。
サウンドクリエイター 大黒淳一さん
この日はあいにくの大雪にもかかわらず、会場には、クリエイター、そしてクリエイターを目指す学生を含め、50人余りの人が詰め掛けた。
ほぼ満席の会場
活動報告会では、現地で撮影した写真をスライドショーでみせながら、スタジオの様子や、船上ライブパフォーマンスなど様々なエピソードを披露すると会場から感嘆の声があがった。
大黒さんは、「どこの街にも、その街特有の音がある。ベルファストの音は風が吹く音。」と話してくれた。
アイルランドで大黒さんがよく足を運んだパブの写真と共に
ライブパフォーマンスでは、まず最新のサウンドテクノロジーを紹介。
マサチューセッツ工科大学が発明したスピーカーボードや、映像から音をリアルタイムで生成するシステムを解説した。
(左)レーザービームのように一直線にしか音が響かないスピーカー (右)ライブで使用したキーボード
パフォーマンスでは、キーボードを弾く大黒さんの姿をコンピューターに接続されたライブカメラが捉え、 その映像をリアルタイムに色素情報だけに変換して、スクリーン上に表示。
この常に変化する色素情報に反応して、コンピューターが環境音楽を自動生成する。
コンピューターが生成した環境音楽とキーボードにてセッション
さらに、アイルランドの風景がスクリーンに映し出され、そこで録音された街の音が鳴り響く。
不思議で心地良い音の協和が会場中を包み込むと、ある人は目を閉じ、ある人は映像を楽しみながら、大黒さんが作り出す音に酔いしれた。
視覚・聴覚に訴えかけるライブパフォーマンス
会の後には懇親会も行われ、大黒さんの周りにはライブパフォーマンスについてを尋ねる人で賑わっていた。
懇親会の食べ物は、派遣先にちなんでアイルランド料理が振舞われ、来場者は皆とても満足気な表情だった。
(左)アイルランドシチューとパン (右)フィッシュ&チップス
アイルランド料理と大黒さんの話で盛り上がる懇親会
大黒淳一 WEBサイト
http://www.junichioguro.com
取材: ICCアシスタント・コーディネーター 倉本