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アニメユニット ピコグラフ  代表 太田さん・河原さん・mebaeさん

札幌アニメーション業界屈指の独創性で、
設立10年を走り続けてきたクリエイター集団「ピコグラフ」。
イノベーションプロジェクト「動画革命東京」の支援で制作した
SFカーレースアニメ「TAILENDERS」のBD・DVDが1月28日から発売、
次のステージに向かって大きな一歩を踏み出した。

picograph_top.jpg

  • 「Picograph フライヤー 1」

  • 「Picograph フライヤー 2」

  • 「Picograph フライヤー 3」

  • 「アニメ作品:精霊大戦トーテミア 1」

  • 「アニメ作品:精霊大戦トーテミア 2」

  • 「アニメ作品:精霊大戦トーテミア 3」

  • 「アニメ作品:精霊大戦トーテミア 4」

  • 「アニメ作品:精霊大戦トーテミア 5」

  • 「アニメ作品:精霊大戦トーテミア 6」

  • 「アニメ作品:精霊大戦トーテミア 7」

  • 「アニメ作品:精霊大戦トーテミア 8」

  • 「アニメ作品:精霊大戦トーテミア 9」

  • 「精霊大戦トーテミア 変形玩具 1」

  • 「精霊大戦トーテミア 変形玩具 2」

  • 「精霊大戦トーテミア 変形玩具 3」

  • 「精霊大戦トーテミア 変形玩具 4」

  • 「アニメ作品:U.H.O. フューチャーレスキュー2061  1」

  • 「アニメ作品:U.H.O. フューチャーレスキュー2061  2」

  • 「アニメ作品:U.H.O. フューチャーレスキュー2061  3」

  • 「アニメ作品:U.H.O. フューチャーレスキュー2061  4」

  • 「アニメ作品:U.H.O. フューチャーレスキュー2061  5」

  • 「大きな本棚」

  • 「テイルエンダース 1」

  • 「イラストレーター mebaeさん」

  • 「mebae マンガ作品」

  • 「Picograph 代表 太田真さん」

  • 「Picograph 河原大さん」

  • 「Picograph mebaeさん」

  • 「Picograph 1」

  • 「Picograph 2」



北海道教育大学の卒業生が集まり結成10年

「2010年は僕らにとって大きな転機でした」。
メンバーがそう口を揃えるアニメーション企画・制作会社「ピコグラフ」は2001年に札幌で設立。北海道教育大学デザイン研究室(当時)出身の先輩後輩が集まり、幾人かのメンバーチェンジを経て現在は4人—代表の太田真さん(36)、河原大さん(32)、mebaeさん(31)、東京在住メンバーの佐々木尚さん(32)で構成されている。

所属研究室の指導教員はICCのアドバイザーも務める映像作家・伊藤隆介氏だったこともあり、「デザイン」と看板を掲げるものの基本方針は「何でもあり」。太田さんは得意の変形玩具で才能を現し、授業でアニメ—ション制作の基本を学んだ。
河原さんいわく「今のピコグラフがオリジナル企画として抱えるコンテンツは、大学時代に太田が育んだアイデアにようやく形を与えたもの」。この太田さんを中心に映像作りに関心がある仲間が集い、クリエイター集団「ピコグラフ」が誕生した。

picograph02.jpg写真左から主にキャラクターデザイン担当のmebaeさん、ピコグラフ代表で企画・脚本の太田真さん、編集・撮影の河原大さん。


そして設立10年の節目を迎えた昨年は自分たちのオリジナル作品「TAILENDERS」のBlu-ray・DVD発売も決定。自称「札幌のひきこもり」時代に終わりが見えてきたピコグラフの3人を中央区の事務所に訪ねた。


ICC時代はサイエンスチャンネル一色

ICCとピコグラフは浅からぬ縁にある。2001年のICC創立と同時に第一期生の入居メンバーに名を連ねた。「伊藤先生からICCチーフアドバイザーの久保さんへと縁がつながり、“応募してみないか”と誘っていただいたのがきっかけでした」。
この時のピコグラフは、在学中から始めた科学教育番組「サイエンスチャンネル」のコンテンツ制作に追われる毎日。毎週月曜は「月」、火曜は「火」をテーマにした日替わりアニメ「うさみみ玉手箱」の他に、2061年のレスキュー技術の進化と活躍を描く「U.H.O.フューチャーレスキュー2061」全32話も担当。後者はピコグラフ初期の代表作となった。
 

UHO6_image001.jpg

UHO6_image003.jpg近未来を描いた科学教育アニメ「U.H.O.フューチャーレスキュー2061」。サイエンスチャンネルで全話視聴可能。

河原さんはいう。「『U.H.O.フューチャーレスキュー2061』はピコが挑戦した初めての本格商業アニメ。14分の作品を最終的には32本、コンスタントに作り続る経験自体が初めてで、まったく終わりが見えなかった。パソコン台数が足りなくて他の入居者さんから借りたこともありました」。
メンバーの主な役割分担は、企画・脚本が太田さん、キャラクターデザインや作画をイラストレーターでもあるmebaeさん、編集・撮影の取りまとめを河原さんが担当する。だが、この「U.H.O.」時代の忙しさから得意分野以外にも互いをフォローし合う経験を積めたことが、のちの「TAILENDERS」の現場にも生きてくる。「大学時代にアニメ制作の頭から終わりまで一人で出来るスキルを全員が身に付けていたことも大きく役立ちました」と太田さんは振り返る。

picograph_meeting.jpg現オフィスでの打ち合わせ風景。ICC時代の思い出は?「自販機にあったガラナ(笑)。みんな取り憑かれたように飲んでました」


世界を覆う法則を独自の視点で説明

3年間のICC時代が終わると今の場所に事務所を構えた。道内企業のTVCFやPVなどのアニメ制作を手がけ、その合間に各自が変形玩具の制作やイラスト、マンガ、WEBデザイン、専門学校講師などの個人活動を行う。

ピコグラフの売りは何ですか?と尋ねると、「北海道では数少ない手描きアニメのスキルを持つメンバーと、コンセプチュアルな世界観を打ち出せる独自の視点」という回答が返ってきた。
コンセプト作りの中核を担う太田さんは、「世の中の個別な事柄からテーマを拾うというよりは、世界を覆う法則やルールが気になる。“太陽が東から昇る”という現象が昔であれば 神話で語られるのに対し、今は科学で説明される。その法則を語るにはどういう背景があればいいのかを考えるのが楽しい」と語る。

picograph01.jpg「手描きと3Dを効果的に使い分けながら映像制作を行っています」


ピコグラフのホームページに行くと「マンガ」コーナーがあり、クリックで次の画面に変わるFLASH4コママンガが楽しめる。これも変形玩具で鍛えた「見立て」や言葉遊びを巧みに駆使する太田さんの独壇場。“ピコワールド”の片りんを垣間見ることができる。

2011年1月現在で200話以上更新されている「FLASH4コママンガ」から第120話「アシスト」


動画革命東京の支援でオリジナルアニメ

設立6年が過ぎたころ、ピコグラフはオリジナル作品の制作を考え始めていた。そこに現れたのは札幌在住のクリエイター宇木敦哉さん。東京都などからの出資をもとに行われる支援事業「動画革命東京」のことを教えてくれた。
「動画革命東京」の仕掛け人はICCアドバイザーの一人であるアニメーションプロデューサーの竹内宏彰氏。「アニメーションで世界に新たな感動を!」をキャッチフレーズに才能あるクリエイターを対象に世界市場を意識した“パイロット版作品”の制作をバックアップする。前述の宇木さんが監督・脚本・作画をした初の短編アニメ「センコロール」も、この「動画革命東京」の支援を受けて作られた。

この話を聞いた河原さんは「自分たちも」と応募を決意した。着想はあった。知人のインディーズバンドのライブで聞いた疾走感あふれる曲からインスパイアされたSFカーレースアニメもの、「TAILENDERS」(テイルエンダーズ)完成までの一歩を踏み出した。
2007年3月、作品プロットを「動画革命東京」第5期支援作品の公募に送り、10月には支援が決まった。翌年3月の「東京国際アニメフェア2008」では90秒のトレーラーが初公開されそのまま勢いに乗る、はずだったが、そこで思わぬ展開が待っていた。


「TAILENDERS」Blue-ray&DVDは1月28日から発売。初回限定生産版には豪華特典が満載!発売・販売:角川書店

会場でピコメンバーが目にしたのは日本アニメ界の俊英・小池健監督が制作に7年をかけた最新作「レッドライン」のトレーラー。主人公の声には木村拓哉を抜擢、と話題に事欠かないその作品は「TAILENDERS」と同じ近未来のカーレースものだった。

「見た瞬間、“やばい”と思いました」作画担当のmebaeさんは述懐する。自分たちがどんなに支援を受けたとしても小池組が持つキャリアや知名度にはかなわない。
「それならいっそ思いきってピコが得意とする世界観の構築を振り切ったものにしていこう」と大きく方向転換をし、「環境変動」が進む世界で人類は「車輪街」を築き、巨大な車輪の上でレースが行われるという「TAILENDERS」ならではの設定を練り上げていった。

「TAILENDERS」自体、「若造が伝説的な人物にがむしゃらに挑んでいく」筋書きで、小池氏の作品を前にしたピコメンバーの姿とも重なる。“若造”たちの挑戦はその後ピコグラフ最長の“尺”を持つ30分のオリジナルアニメとして完成し、2009 年には地元で人気の国際短編映画祭「SAPPOROショートフェスト」で初上映された。

「このパイロット版が出来たことで長編化やシリーズ化など次の展開にも進めそうです」。さらに嬉しいことにトレーラーを高く評価した角川書店から1月28日、Blu-ray・DVDも発売される。

tailenders_web_top.jpg「TAILENDERS」公式サイト http://www.tailenders.com/ 有望な若手レーサー巴史郎は<伝説様>と呼ばれるルーサー・キングを抜くことだけを生き甲斐としてきた。が、瀕死の事故から目覚めてからは美少女科学者・御神楽トモエと「惑星再開拓レース」に挑む…。

「『TAILENDERS』をやったことで、すごくビジネスを意識するようになりました」と語るのは河原さんだ。「スポンサーを待つのではなく探しに行く。いや、もしかすると、このスポンサー不在の時代に直接視聴者とつながる仕組みから考えていく時期に来ているのかもしれません」。作品の出口を自分たちで考え始めている。


新ブランド「ピコグラフ」の確立を目指して

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totemia_003.jpg ピコグラフオリジナル企画「精霊大戦トーテミア」。太田さんの真骨頂である完全変形玩具×SFサバイバルアクション!


少人数制作のピコグラフが抱える目下の課題は、仕事量やスケジュールに動じない制作環境を作ること。「オペレーターではなく自分の作品を持っているような作画メンバーを募集しています」。
昨年12月、ICC主催の「SAPPORO次世代コンテンツ産業創造プロジェクト」で来札 した世界的な現代美術家・村上隆氏の講演からも刺激を受けた。「観光都市として雪まつりだけで年間200万人が訪れる札幌はすでに“北海道ブランド”として注目を集める基盤が出来ている。他の都府県よりもはるかに恵まれた都市であることに気づかせてもらいました」。

イラストレーターmebaeさんは、パリ・ヴェルサイユ宮殿での村上氏の個展のために制作された短編アニメーション「シックスハートプリンセス」のキャラクターデザインを担当した。
こうしたメンバーの活躍もバネに、今後はピコグラフという新ブランドの確立を目指し、もうひきこもってはいられない。

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●ピコグラフ
HP : http://www.picograph.com/
代表太田さんのブログ 変形バカ一代!JIZAITOYS http://jizaitoys.seesaa.net/
河原さんのブログ mediakiosk http://mediakiosk.jp/
mebaeさんのTwitter   http://twitter.com/mebaeros
佐々木 尚さんのブログ (ye) http://ye134.sakura.ne.jp/
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取材・文 ライター佐藤優子(耳にバナナが
撮影 ハレバレシャシン

 

最終更新日:2011年1月28日