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『SAPPORO SOURCE』編集長 リチャード・ホプキンズさん

2009年6月10日、バイリンガルマガジン『SAPPORO SOURCE』が創刊された。
編集長は札幌滞在7年目のイギリス人、リチャード・ホプキンズさん。
国際都市札幌に滞在するEnglish speaker だけでなく、
日本人読者をも意識した地元密着の情報を発信する。
リチャードさんの自己紹介を含め、発刊までの道のりと今後の目標を聞いた。

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創刊号は市長やオーストラリア領事の祝辞で幕開け

『SAPPORO SOURCE』は札幌市の観光窓口やホテル、書店各所で無料配布されているA4サイズのフリーマガジン。オールカラー32ページの創刊号をめくると、上田市長をはじめ札幌に拠点を置くオーストラリア領事やアメリカ総領事、カナダやニュージーランド大使が“国際都市札幌にふさわしいバイリンガルマガジンの誕生”にエールを送っている。

“Feel the spirit of the dance!”と題して表紙と巻頭特集を飾った記事は、YOSAKOIソーラン祭りガイド。1991年、ある北大生の発案で始まった誕生物語から現在は約300チーム、4万人が参加する一大イベントに成長するまでを簡潔にまとめている。
誌面で取り上げたチーム「平岸天神」は昨年に続き2009年も大賞に輝いた。リチャードさんたちにとって上位入賞を狙うチームの練習風景は衝撃だったようだ。YOSAKOIに没頭する真剣勝負の世界を垣間みたレポートに記されたフレーズは“Don’t call them,they’ll call you.”——踊り手に選ばれることの厳しさを伝えるこの一行が、華やかなYOSAKOIソーラン祭りのもう一つの側面を正確にとらえている。

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記念すべき創刊号はこちら。7/10には第2号が発刊される。
Sapporo City Jazz festivalやPMFなどの音楽特集やゴミの有料化を紹介する

 

イギリスで活躍、デジタルメディアの水先案内人

創刊号を出した安堵感を満喫する間もなく、編集長リチャード・ホプキンスさんは続く2号、3号の準備に追われている。「もっと記事を充実させてページ数も増やしたい」と創刊の辞でさらなる意欲を表明した。
編集長とは出版社のスポークスマンも兼ねた存在だ。来日するまで札幌のことは何も知らず、「幼い頃にいたずらでサッポロビールを味見した記憶があるだけ」と笑うリチャードさんとは、どういうキャリアの持ち主なのか聞いてみた。

イギリスの片田舎で育ち、大学ではコンピュータシステムを専攻。1990年代初頭、まだブラウザも普及していない時代にゲーム関連のオンラインコミュニティやレコード会社SOUTHERN RECORDS Europe社向けwebサイトを立ち上げ、デジタルメディアの水先案内人としてイギリスで頭角を現した。99年には世界に名を馳せる広告代理店M&C Saatchiに入社し、2年後に仲間と独立。ITを軸に据えた広告戦略のプロフェッショナルとして活躍する。

この頃にプロジェクトマネジャーとして「グラフィックデザイナーやフィルムメイカーたちクリエイターとITテクノロジーの橋渡し役」を務め、数々のチームを動かした経験が今の雑誌編集にも生かされているようだ。

そして2002年、見聞を広めようと親友がいた日本にやってくる。初めに滞在したのは埼玉県。外国人コミュニティは足を伸ばせば、東京、なかでも六本木に広がっていた。同年の冬に観光で訪れた札幌は故郷を思わせる自然の宝庫だった。軽い気持ちでの滞在がいつしかこの地で人生のパートナーも得て、今年滞在7年目を数える。2009年4月のICC入居と同時に『SAPPORO SOURCE』創刊に向けて本格的に動き出した。

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イギリス時代に手がけた広告で2001年、世界三大広告賞の一つ、
カンヌ国際広告賞のゴールドライオン賞を受賞した

 

札幌の空白にビジネスチャンスを見出す

東京、大阪、京都、名古屋、福岡と国内の大都市には地元発の外国人向け情報誌があるため、情報の受発信には困らない。一方、190万人都市の札幌にはそれがない。リチャードさんはその空白にビジネスチャンスを見出し、ICCの賛同と入居権も手に入れた。創刊号では自らの経験を踏まえたICCの紹介ページを設け、「他に例をみない場所であり、世界中のクリエイティブコミュニティによって賞賛されているのは間違いのない事実だ」と入居の喜びを誇らしげに語っている。

『SAPPORO SOURCE』のターゲットは、札幌で暮らすEnglish speakerとツーリスト、さらには日本人をも読者層に設定したことに注目したい。だから使用言語は英語と日本語。掲載された全ての記事を二カ国語で発信することが今後の目標だ。
「日本の暮らしはどこを見ても英語表記があふれている。国際文化に関心を持つ日本人にも読みごたえのある記事を発信したい」と、“外国人による外国人のための国際マガジン”にとどまらない奥行きの深さを強調する。実際、創刊号の「Going Out Guide」では編集部いちおしのスープカリー店やラーメン屋が掲載されており、自信をもって書かれた推薦記事に食指が動かされた。

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創刊の多忙時にはICCに集うクリエイターたちと「産みの苦しみ」を分かち合うことで
前向きな気持ちになれたとリチャードさんはいう

 

パブリックな情報発信の場としても有効

雑誌に限らずスポンサー集めはいつも大変だ。日本語が流暢ではないリチャードさんにとって企業の壁はさらに高くなる。周囲の紹介や協力を得て第一号スポンサーとなった製菓会社ロイズには「私たちの熱意を信じてくれたすばらしい会社」と感謝の言葉を捧げる。

創刊号の話をもう一つ。地下鉄ICカード「SAPICA」を詳しく取り上げた。問い合わせ先に足を運んだリチャードさんが「英訳の案内はしていますか?」と尋ねたところ、答えはイエス。「知らなかった、どこで?」「交通局に来たら英訳パンフレットをお渡しします」。ところがその「交通局に来たら…」の英訳ガイドは残念ながらどこにも見当たらない。
「SAPICAに限らず、札幌市や公共団体からの有益な情報はバイリンガルでもっと身近に発信すべき。『SAPPORO SOURCE』をそういうパブリックな情報発信の場としても使ってほしい」とアピールする。

走り出したばかりの『SAPPORO SOURCE』ではスポンサーもスタッフも募集中。雑誌が軌道に乗り出したらリチャードさんお得意のwebにも展開していく。

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現在、リチャードさんを含めコアスタッフは5名。
「興味がある方は気軽に問い合わせてくださいね」

 


BGM:渡辺崇(Junkan Production)

 

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■SAPPORO SOURCE
editor@sapporosource.com

取材・文 佐藤優子
blog「耳にバナナが」 http://mimibana.exblog.jp/ 

 

 

最終更新日:2009年06月26日