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ロックンロールに映画を追いかけて  BLOCKHEAD FILMS

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- BLOCKHEAD FILMSとは

映像製作ユニット
札幌市在住
ICCに2008年4月より入居

高橋研太・橋本健史の2人で2002年に札幌で結成する。

・高橋研太・・・北海道砂川市出身
                    東北大学教育学部卒
                    KYOTO映画塾を経て、さまざまな現場で助監督、舞台監督助手を務める

・橋本健史・・・東京都出身
                    京都大学文学部哲学科卒
                    KYOTO映画塾、北京電影学院留学を経て、全国紙記者、雑誌記者を務める

過去に、4本の映画を自主製作。
さらに現在、長編映画の製作を計画中。
活動は映画製作だけに留まらず、プロモーションビデオ、ライブ映像、イベント撮影、スノーボード等のDVD制作も手がける。
作品を製作するときは、共同で監督をするのではなく、監督と、サポートの助監督というように立場を完全に分けている。

少し緊張した面持ちの高橋さんは、慎重に言葉を選びながらBLOCKHEAD FILMSの目指す映像について語ってくれた。
「映画に限らず、どんな映像にもストーリーを盛り込みたい。それが良いのか悪いのかはわからない。だけど、それが僕らの味なのです。」 ドラマのある映像こそがBLOCKHEAD FILMSの醍醐味のようだ。

 

- ユニット結成のきっかけ

お互いに出身地の違う二人は、15年程前に現在の松竹京都映画が経営する『KYOTO映画塾』にて出会った。 年間あたりの生徒数が30人程のクラスで、二人は2期生として2年間在籍した。 映画業界への入門を夢見ていた二人にとって、卒業生全員が松竹京都映画本社に入社できるという売り文句が魅力だったと高橋さんは笑う。 同じ夢を追いかける二人は、自然と時間を共にするようになった。 卒業後、高橋さんは脚本家の弟子になり舞台演劇の仕事を始め、橋本さんは北京へ映画留学することになる。 別々の道を歩き始めた二人だが、それぞれ映画への夢を追いかけ続けていた。 そんな中、自分の才能に限界を感じた高橋さんは、一時、映画製作をあきらめかけた。 しかし、もう一度再起を図ろうと出身地の海道で決意したとき、北京から帰国し東京で新聞記者をしていた橋本さんから一本の電話が入る。 「映画を作ろう。」 BLOCKHEAD FILMS 誕生の瞬間だった。

札幌に本拠地を移した二人は精力的に活動を展開し、20分程の短編映画を製作して、あるコンペティションで受賞する。 その作品が、ICCアドバイザー 伊藤隆介氏の目に留まりICCを紹介された。 さらに、仕事で引き受けたプロモーションビデオ撮影時に、メイクとして参加したJenny cos methodologyの米田さんからも同時期にICCの話を聞いた。 運命的なものを感じた二人は、ICCへの入居応募を決意したのだった。 高橋さんは、橋本さんの印象をこう語る。 「橋本とは、まったく正反対の性格で、生活からして違いが多い。20年近く付き合っていて一度も家に遊びにいったことがない。 ただ誰よりも現場では呼吸が通じる相手。そういった意味では互いを尊重し合っていると思う。」 二人を互いに引きつけたのは、映画製作の現場のようだ。

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高橋さん(左)と橋本さん(右)

 

- クリエイターとして

映画を製作するために現場へ入ると、生活から意識が離れてしまい、現実と非現実のギャップにいつも苦しむと話す高橋さん。 撮影時は、作品の世界に没頭して何をしても良い気分になってしまい、破壊的な映像を撮っていれば、周囲を何でも破壊できると思いこんでしまう。 しかし普段の生活でそれを行ってしまうと、当然、世間と法を敵にまわすことになる。 高橋さんは自分がクリエイターでいるために、普段は極力、『普通』でいることを心がけていると話してくれた。

高橋さんは、自分の得意とする脚本について語ってくれた。
「脚本は技術。才能やひらめきだけでは続かない。一つのブロックを積み上げた後に、どういったブロックが必要なのかを見極める経験が必要となる。 そういった意味では、建築の世界に通じるものがあると思う。」

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BLOCKHEAD FILMS 撮影の現場

 

- 普遍的な事実

これまではやくざが主人公となる映画を多く撮ってきた。 知り合いのキャストが強面だからか自然とそのようなストーリを書いてしまうのだという。 「作品をつくり出すきっかけは、最初は一人だけのふとした興味でかまわないと思う。 その興味をいかに皆で共有できる普遍的な事実に変換していけるかが、作品づくりにおいて大事な作業。」

最新作は、ミュージシャンたちから崇められる神様をモチーフとした15分程の短編映画 『God of Rock'n'Roll』 (2008年製作)。 今までは全て二人で作り上げてきたが、今回は初の試みとして、ICCで隣に入居している写真家 山本さん(ハレバレシャシン)に撮影監督を依頼した。 作品は誰でも気軽に楽しめる仕上がりになっており、公開は来年2月を予定している。 空間にドラマを作り出す専門家と、空間を切り取る専門家とのコラボレーションがとても楽しみだ。

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やくざを描いた作品の一幕

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北海道の風景を映した作品の一幕

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BLOCKHEAD FILMS  最新作 『God of Rock'n'Roll』

 

-夢

今から3年以内に、長編を一本撮ることが夢。
「ただの長編ではなく、BLOCKHEAD FILMSの作り出すドラマが『普遍的』になっていくかを見極めるための挑戦なんです。 世界中の人から愛されるドラマを一生作り続けたい。」

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夢を語る高橋さん

 

-メッセージ

 

 

文: ICC アシスタント・コーディネーター 倉本浩平