ICC -インタークロス・クリエイティブ・センター-



Pick Up !

  • 平成29年度「コンテンツ活用促進事業費補助金」申請者募集&『公募説明会』開催のお知らせ
  • 新規クリエイター登録募集中!
  • 新規プロジェクト申請

Feature

現在位置の階層

  1. HOME
  2. Feature
  3. Archive
  4. 有限会社3KG 「できることしかやらないのはつまらない。」

有限会社3KG 「できることしかやらないのはつまらない。」

feat_vol21.jpg

「Macを買えば何かができる」と、自宅にあるコンピュータに向かってグラフィックデザインを趣味で楽しむ。そんな世代である佐々木信さん(32歳)がひきいる 3KGは、AIR DOのキャラクターデザイン、世界最大級のデジタル・フィルム・フェスティバル「ワンドットゼロ」のプロデュース(札幌)、CARTOON NETWORK 「Hi Hi Puffy AmiYumi」のキャンペーン映像の制作、地元テレビ局の番組ディレクションなど、多彩な実績を持つ。単にデザインの世界にとどまらず多分野に展開しつづける3KGとは?そして今、新たに始動するプロジェクトとは?そんな疑問を解決すべく、佐々木さんにお話を伺った。


面白いこと、楽しいことがしたい

3KG設立の背景には、"extra design"という2人のデザインチームの存在がある。
当時、デザイン事務所(札幌)に勤務していた佐々木さんと佐藤暢孝さんが「好きなことをする場」としてWebで発信。それが、インターネットを通じて世界から注目を集め、フランスで開催された"Web Daysigner"というイベントに招待された。その後も、海外でのイベントに複数参加し、海外のデザイナーとのつながりを持つことに。
「インターネットが普及し始めた頃で、まだWebサイトを作っていない企業があった時期だったから、ちょっと面白いWebを作るだけで注目されました。イベントでは、世界中から憧れのデザイナーが来ていて、彼らと同じ場に自分たちが並んでいるという感覚を知りました」。
extra designとしての仕事が来るようになると、もともと「面白いことをしたい」という感覚でスタートした2人は様々な矛盾を抱えることに。チームをやがて解散し、それぞれの道を歩むことになる。
そして、佐々木さんは、新たな仲間2人と2001年に3KGを設立。「会社としてスタートしたわけではなく、3KGも遊び半分、仕事半分で、やっぱり楽しいことがやりたかった。食べられるという確信があったわけじゃなく、食べていけるといいな、という感じでしたね」。


やったことがないことばかり

その後担当したAIR DO 北海道国際航空の3周年記念ポストカード製作の仕事は、「旅行が好きで飛行機も好きなので、航空会社から仕事の依頼が来たのは嬉しかった」という佐々木さんにとって願ってもない機会だった。
ベアドゥというクマのぬいぐるみをイラストにしたことをきっかけに、そのキャラクターデザインはAIR DOのキャラクターとして急速に成長する。今では、販促物やカレンダー、グッズなど、あらゆるものに用いられ、このキャラクターを使ったデザインはすべて3KGが担当している。
さらに、知人から来た話で、厳しいスケジュールの中、世界的なコンペに参加して受注したのが、CARTOON NETWORK 「Hi Hi Puffy AmiYumi」のキャンペーン映像の制作。「パフィーの撮影が必要だったので、まずは日本からのコンペ参加が有利だったようです(笑)。決まったはいいが、やったことがないことばかりで、途方にくれることもありました。最後の仕上げは3日間一睡もしないでスタジオにつめて、きつかったですね」。 海外との仕事で、それまでに経験がない規模(人数も金額も)だったこともあり、さまざまなエピソードもあったようだ。「海外からお金を受け取るのに口座はどうするのか?という話になり、いったん個人口座で受け取って1日だけ僕は大金持ち。でも、次の日には会社の口座へしっかり移ってました(笑)」。
同社のような規模の組織でも、直接契約を交わして仕事を発注する海外のやり方を知り、日本との違いを実感したのもこの仕事だった。

 


デザイン+何か、そして札幌を見てみる

HBC 北海道放送で2005年11月〜2007年3月まで放映されていた、"LOVE ON TV"という番組のディレクションを佐々木さんが担当。「最初はアートディレクターとして参加したのですが、半年後には編集にも参加していて、気づいたらほぼディレクターをしてました」。この仕事をきっかけに「これってデザイン?」という感覚があり、「デザイン+何か」考えるようになったという。
また、この番組のインタビューコーナーの人選をする中で、東京在住の番組スタッフから言われたことも新しい動きへとつながることに。「海外の人や東京の人を紹介したいと思っていた僕に、彼は『佐々木くんは札幌を否定しすぎ』と。たしかに、それまでは面白いことは他にあると思っていたので、札幌を無視していたのかもしれません」。
これをきっかけに佐々木さんは札幌で起こっていることを見るようになったという。そして、デザイナーのナガオカケンメイ氏との出会いを経て、新たなプロジェクトのスタートへとつながっていく。


D&DEPARTMENT PROJECT SAPPORO

ナガオカケンメイ氏が展開しているデザインプロジェクトD&DEPARTMENT PROJECT。この札幌展開を3KGが担当し、現在D&DEPARTMENT PROJECT SAPPOROを進行中だ。コンセプトは"お店を開くことだけが目的ではなく、プラス 文化のエッセンスを発すること"だという。
「"北海道"をうまく出していくことになると思います。ただ、僕が思っている北海道の出し方は"北海道万歳!"的なストレートのものではなくて、住んでいる街にポジティブになれるのはいいよねというようなもの。ひとつ考えている都市観光ビデオプロジェクトも『北海道の魅力を、僕たちが撮るとこうなります』というようなものになると思います」。
地元TV局の番組制作をきっかけに、住んでいる街を見つめ始めた3KG。どんな仕事もデザインだと思って展開する中で、"デザイン+何か"を考え始め、さらなる展開を図ろうとしている。
「まず楽しさが先にあるから、最初に楽しさと苦労のバランスがとれないんですよね(笑)。でも、できることしかやらないのはつまらないから、やっぱり、楽しいと思った仕事をしちゃいます」という佐々木さんだが、今一番違和感があるのが"社長業"だという。3名でスタートした3KGも今は6名となり、組織としての成熟度も必要になっている時期なのかもしれない。
「世間一般で"カッコイイ"と言われているものがすべてではない。自分なりの"カッコよさ"とか"気持ちよさ"を探すのが一番だと思います」という佐々木さん。今まで展開されてきたビッグビジネスは、3KGが考えている"カッコよさ"にひかれて発生してきたものだということが、お話を伺ってよくわかった。

 


D&DEPARTMENT PROJECT SAPPOROのWebサイト。
6月3日には、アップルストア札幌でプレゼンテーションも行われた。


●有限会社 3KG 
ウェブサイト http://www.kgkgkg.com/
〒060-0033 札幌市中央区北3条東5丁目 岩佐ビル3F
TEL011-300-3333/FAX 011-301-3333

取材・文 佐藤保子


最終更新日:2007年06月26日