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S-AIRレジデントアーティスト マグノス・スヤープヘッドインスソン氏

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- マグノス・スヤープヘッドインスソンとは

オーディオ・メディア・アーティスト
ミュージシャン
アイスランド・レイキャビック出身

アイスランド芸術学校にてビジュアル・アーツを専攻
2008年同校卒業

音や楽器を使った独特のイメージによるインスタレーション、映像作品を生み出す。

ICC+S-AIR2008創造資源開発事業(アーティスト・イン・レジデンス/文化庁メディア芸術ラボラトリー支援事業)のレジデンスアーティストとして、8月1日~9月30日まで札幌に滞在。


- ICCそしてS-AIRについて

Inter × cross Creative Centerのカフェに現れたマグノスさん。
その視線は鋭く、「若き頑固職人」というのが第一印象だった。
しかし、マグノスさんのアートに対する世界観、そして母国アイスランドに対する想いは深く、話を聞くうちに内に秘める優しさと温かさを感じた。

「アイスランドでは、ICCのようなクリエイターを支援する施設は、大学などの教育機関にしかなく、ごく限られた人しか利用することができない。だからこの環境が非常にありがたかった。」と話すマグノスさん。
また、S-AIRのプログラムも充実していて、自分は何も心配せず作品づくりに没頭できたと語ってくれた。



- 札幌での想い出

札幌の街は大きくも小さくもなく、ちょうどよいサイズ。歓楽街『ススキノ』のネオンや、閑静な住宅街『円山』の静けさが一つの空間として同居しているのが、この街の最大の魅力だと語ってくれた。

札幌での一番の思い出は、三味線演奏者と出会い、自らも演奏にチャレンジしたこと。
自身もミュージシャンだけにこの体験がとても心に残ったようだ。
「帰国する前に三味線を購入し、今後の音楽活動に取り入れたい。 そしていつかは速弾きの津軽三味線にも挑戦してみたい。」と意欲を語ってくれた。
また、札幌のさまざまな街の景色を500枚にも及ぶ写真におさめた。
身近な友人や街の人の顔、そして家から見える風景を撮り続けたという。30秒くらいシャッターを開放していると、街の色が緑色に変わっていく。それがとても幻想的だったと写真をみせてくれた。



- アイスランド、そして札幌との違い

アイスランドは人口30万人ほどの小さな島国。
「この小さな国から、ビョークやシュガーロスといった世界を代表するアーティストが生まれたのも、積極的に自己主張をするアイスランド人の気質が関係しているのかもしれない。アーティストが増えると、この国はますます大きな力をつけていくかもね。」 と話すマグノスさん。

また札幌との違いを聞くと 「人口や食文化など小さな違いはたくさんある。でも一番大きな違いは、街の中に古いお寺がたくさんあること。アイスランドは、近代的な大きな教会が町の郊外にポツンとあるのが一般的なんだ。生活にとけこんでいる感じがとても印象的だった。」と語ってくれた。



- マグノス・スヤープヘッドインスソンの作品

マグノスさんの音楽づくりは、音をコンピュータ上で一音ずつ入力していくスタイル。
彼は札幌の中で、とても多くの音に出会った。
驚いたのは、静かな街中に突如として聞こえてくるパチンコ店の音。何度か足を運び、音を聞きにいった。
街の中であのような音が鳴っているのは、アイスランド人からみると、とても珍しいようだ。
この体験を活かして、今後は自ら録音した音を音楽にミックスしていきたいと言う。
「そこにしかない音を録音すれば、自分がその場所にいた証明になるはず。だからこのスタイルに魅力を感じるんだ。」
さまざまなアートシーンで、日本とアイスランドがどうコラボレーションできるのか、模索しながら作品をつくりたいと笑顔で話すマグノスさん。
彼の手によって、2つの文化がどう融合されていくのか、今後の彼の作品に注目したい。



マグノスさんの音楽が聞けるWEBサイト
マグノス・スヤープヘッドインスソン マイスペース