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イラストレーター ryukuさん

 

ryuku_title.jpg

 

動物とたわむれて楽しそうな子どもの表情、今にも飛び出してきそうな白くまの躍動感・・・
イラストレーターryukuさんの描くイラストは、見る人の心を幸福にする不思議な魅力がある。
札幌を拠点に、独特のタッチで人や動物を描くryukuさんの横顔に迫った。

-30歳でイラストレーターに転身

ryukuさんは新十津川町出身。幼いころから絵を描くのが大好きで、将来はイラストレーターか漫画家のアシスタントになりたいと考えていたが、高校卒業後は信用金庫に就職。その後も事務職などに就き、10年以上もOLとして働いていた。
転機になったのは30歳の時、知人から「札幌でWeb制作会社が人材を募集していて、未経験者でもOK」との話を聞き、初めて地元を離れ、札幌に向かった。
「不安はありましたが、夢に近づけると思い、決心しました。1年間、この会社でアルバイトをしながら、Webの更新やデザインを担当しましたが、この時期、並行してイラストを発表したり、知人と二人展などもやりました。イラストを刷ったカードを作って、市内のカフェに置いてもらったりもしていました」。


イラストレーターryukuさん。
“monkey-trapper”という“屋号”を持つ

その後、アルバイト発見マガジン『an』北海道版のキャラクター制作コンペに応募し、見事採用。結局、約2年間、ryukuさん作のキャラクターが使われることとなった。「初めて自分のイラストでお金をいただいたのがこの案件で、イラストレーターを名乗ろうと決めたのもこの時でした」
こうして、2001年10月、ryukuさんはイラストレーターとして本格的に活動を開始し、monkey-trapperという屋号を名乗るようになる。
「もう30歳を過ぎていたので、イラストレーターとしてのスタートは他の人より相当出遅れていました。ただ、知人からは、『スタートが遅いからこそ、ダッシュは早くなるよ』と言われました」との言葉通り、ryukuさんは精力的に作品の制作と発表を続けていった。


イラスト作品の数々。彼女の作品は、どれもやさしく、楽しい。


-“ためらわらず、即行動”がビジネスチャンスを生む

Webサイトで見つけた東京のデザイン会社にアポを取り、自身のポートフォリオを持って営業に出向いたり、東京でクリエイターが集まる勉強会が開催されると聞けば、札幌から駆けつけるなど、フリーランスの特権であるフットワークを活かし、積極的に行動した。
本人は、「もともとは行動的な性格ではなく、人見知りも多い」というものの、これまでの行動の数々を見てみると、とてもそうは思えない。ガツガツしたところがなく、あくまで自然体でそうした行動を起こすところがryukuさん流のやり方だ。
そして、彼女が起こしたこれらの動きは、後に「人との出会いがすべて」と言わしめる大きなチャンスへとつながっていく。


「めばえ」のページカットの一例。子どものイラストはryukuさんの得意分野


小学館の子ども雑誌『めばえ』のページカットを描くチャンスは、ポートフォリオを持って営業に行った東京のデザイン会社からの紹介だった。
主婦の友社のPOP用イラストの仕事も、知人を通じてポートフォリオを送ったことがチャンスを生んだ。
東京で個展を開催する機会は、東京で開催されたデザインフェスタの会場で配られたチラシを見て訪ねたショップ兼ギャラリーで、店の責任者に作品を見せたことがきっかけとなった。

「年に何度かは東京に行き、ネットワークを作ったり情報を収集してきます。POPや看板など、自分の作品がイベントで使われる時には、会場全体の中で自分の作品がどう見えるかを確認したくて現場に駆けつけます」。
活動拠点を札幌に置きながら、柔軟に活動を続けるryukuさんだが、その視線の先には海外がある。

「知人のイラストレーターが海外に目を向けていたのに触発されて、ICCの“tomatoワークショップ”に参加し、自分でも世界を意識するようになりました。その後、知人に誘われてロサンゼルスに行ったのですが、その時に現地のクリエイターと知り合いになることができたのです。下手でも良いからと思って英語版のWebサイトを作ったり、ICCのメンバーが企画した”Reach”というイベントにも参加して、韓国で作品の発表をしました」。
チャンスがあれば、ためらうことなく行動に移すのがryukuさんのやり方だ。

 
ryukuさんの個性が引き立つ個展風景


-イラストからグッズ展開へ、そしてさらに大きな夢も・・

ryukuさんのイラストには、人と動物を描いたものが多く、特に子どもを題材とした作品が目を惹く。
「子どもを描くのが好きで、どうしても多くなってしまいます」と笑うryukuさん。
そのやさしいタッチの作品は、Tシャツ、手ぬぐい、缶バッチ、ステッカーなど、グッズに展開されるケースも増えてきた。
「東京での個展を見に来てくれた方から、『ロフトでグッズを買いました』とレターをもらった時はとても嬉しかったです。ryukuという名前よりも、『この作品、知ってる』とか、『あの作品の人ね』とか、とにかく私の作品を覚えてほしいです」という言葉からもわかるとおり、自身の作品に対する思い入れと愛情はとても強い。

 
手ぬぐいやストラップなど、グッズ展開も広がっている


「アーチストになりたいとは思いませんが、かといって、何でも描く商業イラストレーターにもなりたくありません」。これがryukuさんのホンネだ。
“自分のタッチや描きたいものを大事にしながら、一方で、クライアントの要求にも応えたい”と、多くのイラストレーターがそう思うに違いない。しかし、それを実現するのは容易ではないはず。
「クライアントには最初に作品を見せ、自分の描くタッチやキャラクターを知ってもらい、“こんなタッチになりますが良いですか?”と確認を取ります。先方が“こういうイメージで描いて欲しい”と他の作品を例示した場合でも、それと同じにはならないことを伝えてから仕事を受けています」とryukuさん。
その結果、これまで特に大きなトラブルはなく、大手企業の仕事でも、かなり自由に描かせてもらっているという。
大手のクライアントの仕事で、こうした環境を作ることがいかに大変なことか、クリエイターならずとも容易に予想できるだろう。
ryukuさんの努力と誠実な人柄の賜物といえよう。

今後の目標については、イラストを描く仕事をもう少し増やし、小さい頃からの夢だった絵本づくりにチャレンジしてみたいという。
「絵本や本の装丁にはずっと関心を持っています。絵本は、文も、装丁も、すべて担当してみたいです」
あたたかみ溢れるイラスト、持ち前の行動力と誠実さがあればきっと不可能ではないはず。
ryukuさんの作品が表紙を飾った絵本が書店の店頭に並ぶ、その日の到来を楽しみに待ちたい。

●イラストレーター ryuku
WEB SITE http://www.monkey-trapper.com
Creator Profile http://s-xing.jp/db/ind/prof0057.html

【イベント予定】
8/22~9/11 「POPBOX-祭」(渋谷Loft)参加予定
8/29は上記会場にてライブイベント+サイン会も開催

取材・文 佐藤栄一

 

最終更新日:2008年8月23日