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株式会社ノーマライズ ディレクター  山岡 朋生さん

2010年4月からICCに入居した映像制作会社ノーマライズ。
年間600本のウェディングフォトムービーで映像技術を磨き、  
本年度からは新たな事業の柱としてケータイコンテンツの開発も進行中だ。
代表の山岡朋生さんにお話をうかがった。

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  • 「山岡さん 1」

  • 「山岡さん 2」

  • 「結婚式映像サンプル 1」

  • 「結婚式映像サンプル 2」

  • 「お客様シート」

  • 「映像企画書」

  • 「撮りためた映像素材」

  • 「仕事道具 1」

  • 「仕事道具 2」


ビジネスのきっかけは幼なじみの結婚式

結婚式に出席したことがある人なら一度は見た覚えがあるだろう。新郎新婦の生い立ちから「今日という日を迎えるまで」がスクリーンに映し出される感動のラブ・ストーリーを。

山岡朋生さん率いる株式会社ノーマライズは、このウェディングフォトムービーの企画・制作を中心とする映像制作プロダクション。2006年7月に発足以降、2009年2月の法人化を経て、早くも年間約600本という驚異的な制作本数をこなしてきた伸び盛りの新企業でもある。

ビジネスのきっかけは、幼なじみの結婚式にあった。山岡さんとは小学2年生からのつきあいが続く新郎が映像とBGMを自主制作した手作りの結婚式。山岡さんは友人代表のスピーチを頼まれていた。誰もが緊張の面持ちで主役の入場を待ち、いざ扉が開いたその瞬間だった。“ピチョーン”?

「本来なら感動的なクラシックとかが流れる場面にいきなり水音のBGMなんてわけがわからない(笑)。“はぁっ?”と思いましたが、その後は一事が万事そんな感じで。祝電披露のときはBGMの爆音で話し手の声が聞こえないとか、新郎の個性が大爆発。

参列されたご親戚の方々はさぞ驚かれたと思いますが、新郎をよく知る自分には“あいつらしい”なと。こういう王道じゃない結婚式、もっと自由な表現ができる結婚式もあるんじゃないかと思い始めたのが全ての始まりです」。

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式全体のイメージや新郎新婦のメッセージ、そして予算との兼ね合いを考えての提案力が問われる。

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お客様に見せるサンプルDVDを再生中。左の男性が映像クリエイターの安達さん。

 

クリエイターを有する斬新な映像感覚をPR

ウェディングフォトムービーとは、新郎新婦の思い出の写真を使って二人の歩みを振り返り、さらにはこれからどんな家庭を築きたいのか、見守る周囲への決意表明をする、いわば世界に一つだけのオリジナルショートムービー。ウェディングプランの中でも、「自分たちらしいものを見せたい」と当事者たちの思い入れがひときわ強くなる素材だ。

「だからこそ、自分たちにはメニュー表みたいなパンフレットがないんです」と山岡さんは語る。すでに決まったパターンを勧め、同業他社と価格競争するようでは起業の意味がない。「むしろ僕たちもノーマライズにしかできない映像表現で、晴れの日を飾るお手伝いができればと考えています」。

TVCFの制作や国内の短編映画祭に入賞したキャリアを持つ安達さんを抱えることで、「クリエイターが作る斬新でハイクォリティー」な映像センスを持ち味とする。「結婚情報誌に広告を出す際にも、“いかにも”な広告は避け、主流のものでは物足りない少数派の気持ちをつかむようなデザインを心がけています」。

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「地元の映像制作会社にはできないもの」を期待して、遠くは森町など地方からの依頼が来ることも。


当日の模様を盛り込んだ即興編集のエンドロール

制作の流れは、挙式一カ月前の打ち合わせから。営業を兼務する山岡さん、あるいは安達さんが窓口となり、新郎新婦のリクエストに耳を傾ける。中には新婦の姉妹や発起人たちによるサプライズ企画といった変則的な場合もあるが、イメージを吸収したところで具体的なプランに落とし込んでいくところは全て変わらない。

「もちろんご予算に限りがあることはわかっていますので、僕はまず初めにご予算の話をさせていただくことにしています。現実的な着地点の中でどんな創造的なことができるかを考える。そこがプロに求められている役割だと思うので」。

プランが決まれば、次は素材集め。関係者から写真を借りたり、あるいは新たにロケ地で撮影したり。ここ数年は当日の会場の様子をその場で編集し、エンドロールに間に合わせる「即興のショートムービー」並みのプランも少なくないという。

「材料が全て事前に揃うケースばかりではないので、毎回当日のお式が終わるまでが実にスリリング(笑)。当社にはエディターが8人いますが、皆カメラもやれば一通りのデジタルワークができるのでフル回転でがんばってくれています」。

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エディターの中には「札幌コレクション2010」でVJを務めた若手もいる。
映像制作経験がないスタッフを一から育成するところも、現在の映像感覚を重視するノーマライズの特徴だ。

 

時代の声を聞き、ケータイコンテンツにも挑戦

山岡さんの言葉は続く。「結婚式の映像制作、というと安易なイメージでくくられてしまいがちですが、僕らにとっては映像表現の出口がウェディングフォトムービーだったという逆の発想」。

古式ゆかしい昭和の神前式からモダンな教会スタイルに人気が移り、バブル期のハデ婚を経て、等身大のジミ婚へ…結婚式には時代の世相が色濃く反映される。それは映画やテレビ、ミュージッククリップにも共通する“時代の声を聞く”ことに他ならない。「結婚式というフィルターを通して世相を見る」リアルな時代感覚が山岡さんたちの原動力となっているようだ。

ちなみに最近の結婚式の傾向は、と尋ねると「世界的な不況だからでしょうか、和洋問わずに自分たちのお披露目というよりは、あらためて身内や友人たちに感謝する“おもてなし”の精神が強いように感じます」と分析する。

ノーマライズは2010年4月からICCの住人となった。入居にあたり、新たに「ノーマライズプロジェクト」を結成。従来のウェディング業務や徐々に増え始めたTVCF制作で足場を固める一方で、今後益々需要が伸びるであろうケータイコンテンツ開発を事業の柱に据えた。コンテンツ産業振興の中心地であるICCで大きく飛躍することが期待されている。
「すでにいくつか動き出している案件もあり、今後外部のクリエイターとも手を組みながらいろんなことに挑戦していきたいと思っています」。

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依頼案件ごとに資料はまとめてボックスに保存。創意工夫の成果が大切にしまわれている。

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「映像スタイルは流行が早く、やっと自分のものしたと思ったらすぐ次の波が来る。気が抜けません」と山岡さん。

 

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■株式会社ノーマライズ   http://www.normarise.com/

取材・文 ライター 佐藤優子 
お仕事blog「耳にバナナが」  http://mimibana.exblog.jp/

写真 ハレバレシャシン

最終更新日:2010年06月08日