アメリカでは第44代大統領に初の黒人大統領としてバラク・オバマ氏が就任した。正確にはアメリカ=アメリカ合衆国、黒人=アフリカ系と言わないと気にする人は気にするだろうな。。。NHKを点けたら、就任演説の盛り上がり度はハンパなく、氷点下の中ものすごい観衆と熱気がメラメラ伝わってきた。日本でちょうど小泉純一郎人気がピークだった頃、銀座の4丁目の交差点で彼が街頭演説をした時も、晴海通りと銀座通りが群集でうめ尽くされた。なんとなくそのときの雰囲気に似ていた。
なんだろう、ようやく史上最悪といわれたブッシュが退陣するというのに正直いって素直に喜べない。前任者の評価が悪かった分、だいぶハードルが下がったというか、「とにかくブッシュはもうイヤ」というせっぱ詰まった心情に「CHANGE!」と応えたオバマ氏。どう「CHANGE」するかについては大統領選期間中今ひとつ具体的に教えてくれなかった。その反動なのか、大統領就任演説では「CHANGE」封印で現実的な問題に対する姿勢を真っ当に語ったのだが、割と普通で地味な印象だった。氷点下の中、前の晩から待っていた観衆にはちょっと物足りなかったんじゃないだろうか?市場はそんな物足りなさに素直に反応して、新しい大統領とファースト・レディが舞踏会をハシゴしている間に株価はぐんぐんと下がり、ドルも売られた。一時ドル円なんか30分ぐらいの間に3円近く一気に下げた。FXなんかでうまく便乗してドル売りした人は短時間でだいぶ稼いだだろうね。
そんな風にスピーチひとつが良くも悪くもいろんな人に影響を与える。合衆国大統領イコール世界大統領なわけで核ボタンひとつで世界を終わらせることだってできるわけで、どっかの国のスットコドッコイとは格が違う。(本人はあまり自覚してないみたいだけど? あっ、ちなみに今の文章は「核」と「格」がかかってます。念のため・・・)
そのオバマ氏のスピーチ・ライターが27歳だって!、オバマ氏が47歳。聞こえの良い売り文句は解りやすく大勢に受け入れられるけど実体が無い。キャッチコピーが良くても商品が悪けりゃ客は離れていく。解りやすいコトバは常に「諸刃の刃」ということは日本人の我々は小泉純一郎でイヤというほど学習したハズ。これから問われるのは実行力、そして即効力。その成果を悠長に待ってられるほどの余裕は今のアメリカにはない。とりあえず今はそのイキオイに期待するしかないんだけど・・・。それにしても27歳の若者に世界の行く末を綴られるかと思うとやはり一抹の不安は残るナ。確実なのは、あの国の災難は津波のように倍々になって周りの国に派生する。なんとなくスルッと受け入れられちゃった電子渡航認証システム(ESTA)にしたってそう。安全保障だなんだいってもとどのつまり自国の収入源を国外に求めるひとつの手段でしょう?そうやって、ジワジワ・コソコソなんの関係もないぼくらに影響が伝わってくる。ちがうな、関係あるから影響されるんだな。つまり「悪影響には国境はない」"Shit goes down"、「糞は下に流れる」というヤツ。
なんか、新年早々コメントがジジ臭くなっちゃったナァ・・・いかんいかん、ぼくもチェンジしなくては!「Yes, I can!」とか言いながら、一緒にテレビを観ていた連合いが「アタシもついに合衆国大統領と同い年になっちゃったカァ・・・」とシミジミ言った一言が妙にシミジミ伝染してしまった。ハァー・・・。
プロフィール:
吉川徹(アートディレクター/プランナー)
1964年神奈川県生まれ
1983年渡米, Pacific Northwest College of Art 絵画科卒(BFA)
1989年帰国, 広告会社, 展覧会企画会社を経てフリー
2000年より, ロンドンに拠点を置くクリエイティブ集団tomatoのワークショップに参加をきっかけに以後, 様々なプロジェクトに参加
2004年より, 北海道札幌市の創造都市計画『sapporo ideas city』に参画
2007年, D&DEPARTMENT PROJECT札幌店立ち上げに参画


