
ここ数年10月末ころは「東京タイプディレクターズクラブ」(以下、TDC)の審査会でドタバタしている。今まさに真っ盛りな状態で、今年は世界各国から約3800点、それをほぼ2日で全部見て、グランプリを決める。僕の立ち回りは外国人ゲスト審査員の通訳なので選んだり落としたりする責任は負わないので気が楽だけど、まぁ大変です。大変だけど、楽しいのも事実で、膨大な量の最新作品を水浴びのごとくジャブジャブとまさに浴びるように見て回る。箸にも棒にもかからないしょーもないのもたくさんあるけど、そんな中でハッとさせられる作品に遭遇すると、足が止まり呼吸が止まり、ジッと見入ってしまう。大きさや派手な印刷技術じゃなくて、やはり向かい合った時間や思い入れが見る側を引きつけるのだと思う。具体的に正確に言い表せるものじゃないけど、そこには普遍的な何かがあるんだと思う。だって審査員の足が止まる作品って一緒だから。あれだけの膨大な作品の中で人を引きつけるパワーは小手先では出せない。
そしてTDCの特長のひとつは、学生やアマチュアの実験作品もプロの仕事も並列に評価されるということ。ワールドワイドな土俵で肩書きナシの真剣勝負は面白い。その辺がADCと決定的に違うところ。タダタダ表現の境界を冒険しているわけです。カッコつけて言うとね。日本と世界のトップレベルな人達がひたすらユルく、でもたまにキラーンと眼を光らせている様はやっぱり楽しい。そして、外国人審査員の存在も大きい。つまり、国内の土着的な評価で終わらず、世界標準で評価されるということ。お山の大将ではいられないわけです。
そんなわけで、無事今年も審査を終え、きりたんぽ&しょっつる鍋のうちあげも終え、ヘロヘロで帰ってきました。まだ眼をつぶるとスライドショーみたいに作品が出てきます。結果は?結果はいずれ雑誌等で発表されるのでお楽しみってことで。(時代を反映していることは事実です)
プロフィール:
吉川徹(アートディレクター/プランナー)
1964年神奈川県生まれ
1983年渡米, Pacific Northwest College of Art 絵画科卒(BFA)
1989年帰国, 広告会社, 展覧会企画会社を経てフリー
2000年より, ロンドンに拠点を置くクリエイティブ集団tomatoのワークショップに参加をきっかけに以後, 様々なプロジェクトに参加
2004年より, 北海道札幌市の創造都市計画『sapporo ideas city』に参画
2007年, D&DEPARTMENT PROJECT札幌店立ち上げに参画
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