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有限会社 ソノーク 栗田 正樹 氏

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- 栗田正樹とは

有限会社ソノーク 代表(建築家・デザイナー)
NPO法人北海道カラーユニバーサル機構 副理事長
札幌在住

主な活動
・コンピュータグラフィックス
HBCのキャラクタ「もんすけ」、「HBCニュース」オープニングなど
・ウェブデザイン
・建築設計(一級建築士事務所)
・オブジェ、アクセサリ、ロゴのデザイン制作
・絵画(墨絵、点描画、CG画など)
・ウェブ上のコミュニケーションゲーム立案・企画

栗田さんは、ゆっくりとした口調で自己紹介をしてくれた。
音声ストリーミング(1分)



- 過去の仕事
社会に出てから、5年程は建築の設計に携わった栗田さん。その後、3つの会社で、工程管理や人事管理、給与管理、総務等のマネージメントを行っていたが、最後に身を置いた会社が、クリエイティブな部署を創設したことから、そこで改めて「ものづくり」として仕事をすることになる。
作品にも、過去の経験が大きく活きているようだが、何よりも人当たりの良い栗田さんの雰囲気はきっとこの期間に培われたものではないだろうか。
日本のクリエイターが苦手と言われる営業も、むしろ得意分野なのではと、そう感じさせる笑顔に出会った。
音声ストリーミング(5分)




- 作品紹介
まず見せてくれたのは、和紙の上に墨で様々な形を描いている作品である。墨の黒と和紙の白のコントラストだけで、こんなにも多くのバリエーションを生み出すことができるのかと驚かされた。大胆な白と黒の並びの中に、小さいながらも存在感あふれる赤色の落款が、作品をより引き立てている。
どことなく抽象的な形は、見る人の数だけ作品を生み出しているかのようだ。白と黒の形を見て、ある人は犬を想像し、またある人は観音様を想像する。墨絵の特徴として、決して情報量は多くないが、無限の広がりを感じさせる作品である。
紹介しながらそれぞれの制作工程を詳しく説明してくれた栗田さん。墨で重なり合う線を描くと、最初に描いた線が一番上に浮かんでくるそうだ。普段、マジックやボールペンぐらいしか使わない人には、新鮮な驚きを感じさせるだろう。

次に見せてくれたのは、墨絵とはガラリと雰囲気の違うカラフルな作品だ。
サイズも大きく、色鮮やかなインパクトのある作品である。その多彩な色合いが美しく、作品の中に引き込まれてしまう。
墨絵、イラスト、CG。全くタイプの違う幅広い作品だが、一貫して感じさせるのは、見る人が様々なものを想像できるということだ。どこか連続する時間の一部をすっぽり切り出してきたような、不思議な雰囲気が漂っている。
音声ストリーミング(26分)




- 仕事のバランス
一般的にクリエイターと呼ばれる人たち全てが、自分の作りたいものを作り、やりたいことをやって収入を得られる訳ではない。しかし、栗田さんは自分のやりたいことが収入となり、作品として形となっていくことが多く、そのバランスにかなり恵まれていると話す。以前担当したニュース番組のオープニングでは、自分の描いたスケッチをそのままCGにして放送された。これも一重に、彼の実力をクライアントが認めているからに他ならない。この良いバランスがあれば、さらに素晴らしい栗田作品に出会えることは言うまでもないだろう。

音声ストリーミング(3分)




- 自分を何かに例えるなら
自分は、動物や物には例えられない。でももし例えるなら、空気や水のような存在ではないかと話す栗田さん。自らが色や実体のない媒体として、様々な形の作品を生み出していきたいと話す。
普段の話し振りは、ふわりと柔らかい。しかしその一方で、作品のこととなると瞬間的に鋭い眼光をたたえるところは、一つの形にとどまらず刻々とその姿を変える変貌自在な空気や水のような雰囲気を感じさせる。
音声ストリーミング(4分)




- 今後の目標
秋に横浜で展示会を開くので、まずはそれを成功させたいと笑顔で話す栗田さん。
さらに、アメリカ西海岸でも展示会を開く構想があり、年内の開催に向けて計画をまとめていきたい。作品は豊富にあるので、まずはそれを見てもらうのが第一だと話す。 
そしてもう一つ、栗田さん本人が色弱であることから、色弱者のための本を出版したいと願っていた目標が、11月上旬に現実のものとなる。
幅広い活動がまだまだ続きそうな栗田さんである。
音声ストリーミング(7分)



- メッセージ




 

<インタービューアー: ICC チーフコーディネーター 久保俊哉>